今、僕は語ろうと思う
初めて読んだのは大学生の時だから、30年以上前。
高校生の三男が文庫本を持っていたので、借りて読み返してみた。
この本を読んでから、そのライフスタイルにすっかり影響を受けてしまったのを思い出した。
今、僕は語ろうと思う。
というフレーズに誘発されて、誰かに何かを語らなければならない、とマジで思った。
酒場で毎晩のようにビールを飲んで煙草を吸うことがカッコいいと思い、バイト代を殆どつぎ込んだ。
本に出てくる「ジェイズバー」みたいな落ち着いた雰囲気で、洒落たマスターがいるバーを探したが、そんなお店は学生に馴染むはずもなく、
結局通いつめたのは信濃町の「村さ来」だった。
今では懐かしい思い出だ。
あの頃はこんな毎日で良いのだろうかと思うこともあったが、今思えば貴重なかけがえのない宝石の様なひと時だった。
読み終わった本を返す時、三男にはそんなこと言わなかったが。
ちなみに三男にこの本をいつ読んだのと聞いたら、小学校の時、と答えた。
わけわかんなかった、と言っていた。